「北鎌フランス語講座 - ことわざ編」では、フランス語の諺の文法や単語の意味、歴史的由来などを詳しく解説します。

キリスト教祝日

キリスト教の祝日カレンダー

謝肉祭と四旬節を中心に、キリスト教関連の主な祝日(年中行事)をまとめておきます。関連することわざがある場合は記載しました。
聖人暦については、「聖人暦について」のページを参照してください。

  • 下記以外にもキリスト教関連の祝日はあります。いずれ追加するかもしれません。

12月25日
クリスマス(降誕祭)Noël
イエス・キリストの誕生を記念する。
フランスでは法定休日となっている。
  ⇒「たくさんクリスマスと叫んだので、ついにクリスマスがやって来た」

1月6日
公現祭 Épiphanie
幼子イエスのもとに「東方の三博士」が訪ねてきたことを記念する。
この日、家庭では「フェーヴ」を使った遊びが行われる。

2月2日
聖燭祭(聖母お清めの祝日、主の奉献)Chandeleur
(Purification de la Vierge Marie, Présentation de Jésus au Temple)

モーセの律法では男児出産後の母親は40日間不浄であると考えられていたことに基づき、その期間が明けて、聖母マリアとヨセフが幼子イエスを抱いてエルサレムの聖堂におもむき、マリアが清めの儀式を受けるとともに、イエスを神に捧げたことを記念する。そのため、誕生(クリスマス)の40日後に設定されている。
「聖燭祭」という呼び名は、聖書に書かれている上の事績を記念し、未明に蠟燭をともして行進する行事が行われたことに由来する。
ちょうど「節分」にあたり、キリスト教以前の「光」に関連する祭にさかのぼることができるらしい。
  ⇒「聖燭祭には、冬は峠を超すか厳しさを増す」

謝肉祭(カーニバル)Carnaval
「四旬節」の前の3~4日間(日にちは毎年変化するが、必ず火曜日で終わる)。
昔はもっと長期間行われたらしい。
中世またはそれ以前にさかのぼる一年で最大の祝祭として、昔はその年の蓄えをすべて使い果たすほどの非日常的な乱痴気騒ぎと無礼講が繰り広げられ、混沌とした民衆のエネルギーが発散されたらしい。しかし、19世紀後半になると形式化し、とりわけ(地域差はあるにしても)第一次世界大戦をきっかけにして他の昔ながらの風習とともに急速にすたれ、現在では観光客を意識した単なるパレードとなっている。

  • 「carnaval」の語源はラテン語で「肉を取り去る(肉を絶つ)」を意味する言葉(または「肉よ、さようなら」を意味する言葉だとする説もある)。つまり「(これから)肉を絶つことになる祭」という意味なので、漢字の「謝肉祭」の「謝」もおそらく「感謝」ではなく「謝絶」などの「断る」という意味だと思われる(謝肉祭~四旬節という文脈では「肉への感謝」などという発想は入り込む余地はないはずである)。

この期間に関連する祝日の呼び名は次のとおり。

  • カレーム・プルナン Carême-prenant
    謝肉祭の最後の3日間(=下記「四旬節」の直前の日曜・月曜・火曜)。「prenant」は「これから始まる」という古い意味。謝肉祭の別名としても使われた。ジュール・グラ jours gras も同じ意味。

  • マルディ・グラ Mardi gras
    謝肉祭の最終日となる火曜日(復活祭の47日前)。
    日にちは毎年変化するが、2月3日~3月9日のいずれかにあたる。
    「gras」はここでは「肉食が許された」という意味なので、「Mardi gras」は直訳すると「肉食の火曜日」。この日、謝肉祭は最高潮(クライマックス)に達する。特に仮面舞踏会では、昔は男女が行きずりの関係を持つことも半ば公認されていたことが当時の多くの記録からうかがわれる。
    この翌日が「灰の水曜日」。

四旬節 Carême
具体的な日にちは下記「復活祭」からさかのぼって計算し、復活祭の46日前(水曜日)に始まり、復活祭の前日(土曜日)まで続く。日曜日を除いて数えると40日間となる。大まかに言えば、早春の約1か月半。
イエス・キリストの砂漠での40日間の断食と苦行を追体験する悔悛と精進・節制の期間であり、日曜日は除いて肉食は禁じられる。
「Carême」の語源はラテン語で「40番目の」または「40日前」を意味する言葉。

  • なお、修道院では(時代や修道会で差はあっても)原則として肉食(鳥や魚は除く)が禁じられてきた(少なくともおおっぴらには推奨されてこなかった)という歴史があり、肉を絶つということは、そうした伝統・文化になじむものだといえる。

この期間に関連する祝日の呼び名は次のとおり。

  • 灰の水曜日 Mercredi des Cendres
    四旬節の初日(復活祭の46日前)。
    日にちは毎年変化するが、2月4日~3月10日のいずれかにあたる。
    教会では、司祭が「お前は塵であり、塵に帰るのだということを忘れるな」(創世記3:19)と唱えながら、信者の額(ひたい)に灰で小さな十字架の印を描く。灰は「死」または「浄化」の象徴らしい。前日の「マルディ・グラ」の狂乱から、この静謐への落差は激しい。
    (ただし、地方によってはこの灰の水曜日に仮装行列や山車行列をするところもある)


  • ミ・カレーム(四旬節中日)Mi-Carême
    四旬節の中日(通常は四旬節の中の第3木曜)。「Mi-」は「真ん中の」。
    四旬節の期間中でありながら、特別に番外編として行われる一種の謝肉祭。比較的新しく19世紀頃にフランスで始まったらしい。40日間という長すぎる節制に耐えきれず、一時的に中断するために考え出されたと説明する人もいる。祭の内容は地域によって異なるが、「マルディ・グラ」と似た内容。

  • 枝の主日(棕櫚の主日)Dimanche des Rameaux
    復活祭の1週間前の日曜日。イエス・キリストが受難前にエルサレムに入城し、棕櫚(しゅろ)の枝で祝福を受けたことを記念する。
    この日から「聖週間」が始まる。

  • 聖週間 Semaine sainte
    四旬節の最後の一週間。

  • 聖木曜日 Jeudi saint
    四旬節の最後の木曜日。最後の晩餐を記念する。

  • 聖金曜日 Vendredi saint
    四旬節の最後の金曜日(復活祭の前々日)。イエス・キリストの受難と磔刑を記念する。

  • 聖土曜日 Samedi saint
    四旬節の最終日で、復活祭の前日にあたる。
    沈黙を守りながら翌日の「復活」に思いをめぐらす日。

復活祭 Pâques
春分の日(3月20日または21日)のあとの最初の満月の次の日曜日。
満月という要素(月の満ち欠け)に影響されるので、毎年変化するが、3月22日~4月25日のいずれかにあたる(2014年は4月20日、2015年は4月5日)。
イエス・キリストが死後に復活したことを祝う。
フランスでは復活祭の翌日(月曜)は法定休日となっている(振替休日の感覚)。
  ⇒「クリスマスはバルコニーで、復活祭は暖炉で」
  ⇒「待ちに待った復活祭も、一日であっというまに過ぎてしまう」

3月25日
お告げの祭日(受胎告知)Annonciation
処女マリアのもとを天使ガブリエルが訪れ、イエスを身ごもることを告げられたことを記念する。
イエス・キリストの誕生(クリスマス)の9か月前に設定されている。

昇天祭 Ascension
復活祭から40日後(4月30日~6月3日のうちの木曜日)。
キリストの昇天を祝う。
フランスでは法定休日となっている。

聖霊降臨祭(ペンテコステ)Pentecôte
「ペンテコステ」はギリシア語で「50番目の日」を意味する。復活祭の7週間後(=49日後、復活祭も入れれば50日後)の日曜に行われる。
イエスの復活後に聖霊が使徒たちに降臨したことを記念する日。翌日の月曜は法定休日。

8月6日
主イエスの変容 Transfiguration
山の上でイエス・キリストが3人の弟子を前に神々しく光り輝いたことを記念する。毎年この時期には、真夏の太陽で人々の肌が日焼けして照り輝く時期にあたるので、ぴったりだと言う人もいる。

8月15日
聖母被昇天祭 Assomption de Marie
フランスでは法定休日となっている。

11月1日
万聖節 Toussaint
有名無名のすべての聖人を祝う日。
フランスでは法定休日となっている。



参考:
Georges Bidault de l'Isle, Les vieux dictons de nos campagnes, 1952
Alain Faure, Paris Carême-Prenant : Du carnaval à Paris au XIXè siècle, 1978
(邦訳:アラン・フォール『パリのカーニヴァル』(平凡社、見富尚人訳))















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