「北鎌フランス語講座 - ことわざ編」では、フランス語の諺の文法や単語の意味、歴史的由来などを詳しく解説します。

絵葉書0

フランスの諺の絵葉書

諺の生きた使い方や、諺にまつわるイメージなどを知る上で、諺を描いた絵葉書はとても役立ちます。

⇒ フランスの諺の絵葉書 1 (A~H)
⇒ フランスの諺の絵葉書 2 (I~L)
⇒ フランスの諺の絵葉書 3 (M~P)
⇒ フランスの諺の絵葉書 4 (Q)
⇒ フランスの諺の絵葉書 5 (R~Z)

絵葉書だけでなく、「クロモ」と呼ばれるカードも取り上げます。

  • 絵葉書のページは最近あまり更新していませんが、現在、ことわざ関連の絵葉書・クロモは数百枚集まっています。いずれ公表したいと思っています。(2014/1/4 記)

絵葉書の歴史について

ヨーロッパにおける絵葉書の歴史は意外に浅く、1889年(明治22年)のパリ万国博覧会において、万国博覧会にあわせて建設されたエッフェル塔を描いた絵葉書が30万枚販売され、これが絵葉書というものが一般に認知されるきっかけとなったようです。

絵葉書の普及の背景としては、次の要因が挙げられます。

  1. 鉄道網と郵便制度の整備
  2. 教育の普及による識字率の上昇
  3. 写真(白黒写真)の普及
    (逆に、写真は絵葉書によって広まったという側面もあります)

当初は、絵葉書の表面には住所と名前しか書いてはならない規則になっていましたが、1904年に表面を2分割して半分に住所・宛名、半分に文章を書くことが認められるようになると、裏面を全面、イラストや写真にすることが可能になりました。

ここまでの歴史については、詳しくは
  フランスの葉書の初期の歴史(別サイト)
を参照してください。

第一次世界大戦(1914-1918年)も絵葉書の普及と密接な関係があり、

  1. 兵士の士気を鼓舞するようなイラストや写真が採用され、絵葉書はプロパガンダとしての役割を果たした
  2. 戦地(特に塹壕)に大量に動員された兵士と家族の間のコミュニケーション手段として多用された

と考えられます。

しかし第一次世界大戦後は、通信手段として電話が普及するようになり、絵葉書は衰退の一途をたどることになります。

そのため、1900-1920年は「絵葉書の黄金時代」と呼ばれることがあります。

第二次世界大戦では、スチール写真よりもむしろ動く映像(映画)のほうがクローズアップされていきます。
また、歩兵(人間)による銃撃戦が中心だった第一次大戦とは異なり、第二次大戦では戦車や戦闘機(機械)が主役となり、情報統制が敷かれたこともあって、絵葉書は片隅に追いやられてしまいます。

実際、第二次大戦を描いた絵葉書は、第一次大戦の絵葉書に比べると、極端に数が少ないようです。

絵葉書のページでも、第一次世界大戦の話ばかり出てきますが、以上のような事情があるからです。

なお、フランスの絵葉書コレクターの間では、絵葉書は3つの時期に分類されます。

  • CPA ( = carte postale ancienne 直訳:「古い絵葉書」)
    1900-1918年の絵葉書のこと。
    この頃が絵葉書の全盛期です。第一次世界大戦の前後の古い絵葉書です。

  • CPSM ( = carte postale semi-moderne 直訳:「半現代の絵葉書」)
    1918-1975年の絵葉書のこと。
    古すぎず新しすぎず、レトロな味わいがあります。

  • CPM ( = carte postale moderne 直訳:「現代の絵葉書」)
    1975年以降の絵葉書のこと。



諺とは関係ありませんが、個人的に好きな絵葉書を一枚だけ載せておきます。

パリのコンコルド広場を撮影した絵葉書です。

コンコルド広場

書かれたのは 1906 年 7 月 3 日。筆記体で André (アンドレ)と署名があります。

自動車は走っておらず、写っているのはすべて馬車です。

女性は、印象派のモネの絵に出てきそうな服を着て、傘を差しています。

プルーストが『失われた時を求めて』を書き始める 2 年前の写真です。




「クロモ」について

「クロモ」(chromo)とは chromolithographie(クロモ リトグラフィー)の略で「カラーリトグラフ」を意味し、主にチョコレートなどのお菓子メーカーが子供向けに広告・宣伝用の媒体として利用していた、小さなカードのことです。
昔の永谷園のお茶漬けのオマケについてきた「東海道五十三次」のカードのようなものです(...と言っても、若い人は知らないでしょうか?)。

カードの裏面には、多くの場合、メーカーやブランド名、住所、宣伝文句などが記載されています。
単なる広告だとその場で捨てられてしまいますが、多少なりとも有益な内容で、シリーズものになっていると、集めたくなるのが人情というものです。現在でも、絵葉書と同様にコレクションの対象となっています。

もともと子供向けのものなので、諺を覚えるといった教育的な側面がありますが、気のきいた言葉遊びになっていて大人でも楽しめるものもあります。














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